緒方健二(おがた・けんじ)さんは伝説の事件記者として約40年間凶悪犯罪や暴力団を追い続けた結果、保育士になった人。
約40年間にわたり朝日新聞などで事件記者として活躍し、社会を揺るがす数々の事件や凶悪犯罪、暴力団事件などを取材してきた人物です。
トレードマークは黒いスーツと角刈り、鋭い眼光の強面ですが、子どもの話題になると表情が一変し、とても優しい顔つきになることで知られています。
記者時代、子どもが被害者となる事件や虐待、家庭内トラブルなど、子どもを巡る多くの痛ましい事件に向き合う中で、
「子どもを守るために自分にできることは何か」と強く考えるようになりました。
取材や記事執筆だけでは子どもを守り切れないというもどかしさから、定年を前に新聞社を退職し、63歳で短期大学の保育学科に入学。
2024年3月に卒業し、保育士資格や幼稚園教諭免許、こども音楽療育士の資格を取得しました。
「普通の社会人には見えない、まるで『反社会的勢力』のような外見」と自らを評しつつも、
子どもたちを楽しませるためにカバンいっぱいのおもちゃを持ち歩き、パペット人形を使った遊びなどで子どもたちと積極的に関わっています。
保育現場では、年齢や経験を超えて子どもたちから多くを学び、第二の人生を歩んでいます。
緒方さんの転身は、事件記者としての経験と子どもへの強い思いが結びついたユニークなものとして注目されており、
「子どもをもっと大切にする社会にしたい」という信念のもと、保育士として新たな挑戦を続けています。
緒方健二(おがた・けんじ)さんの経歴
職業:保育士、朝日カルチャーセンター講師
誕生:1958年生まれ
出身地:大分県
出身大学:同志社大学文学部
出身短大:東筑紫短期大学保育学
資格:保育士資格、幼稚園教諭免許、こども音楽療育士資格
職業
1982年毎日新聞社入社。
1988年朝日新聞社入社。
西部本社社会部で福岡県警捜査2課(贈収賄、詐欺)・捜査4課(暴力団)担当。
東京本社社会部で警視庁警備・公安(過激派、右翼、外事事件、テロ)担当。
捜査1課(殺人、誘拐、ハイジャック、立てこもりなど)担当。
同社を退職し、2022年に63歳で短大の保育学科に入学。
2024年3月卒業。
緒方健二さんの著書!
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文化の秋。大学祭の秋。
今日は朝から”東筑紫短期大学・九州栄養福祉大学の大学祭”に、来ています。展示やイベントも見ていて楽しいです。
販売している食べ物は、とても美味しいです☺️#東筑紫短期大学 #九州栄養福祉大学#大学祭 pic.twitter.com/25opFxDXhe— やまとあつし (@Ya910At626) November 3, 2019
緒方健二さんは保育士になったことで感じた変化は!
●子どもとの向き合い方の変化
・保育士として子どもと接するようになり、「子ども扱い」しないことを強く意識するようになったと語っています。丁寧に言葉を選び、子どもと対等な目線で語りかけることで、子ども自身が自分の言葉で返してくれると実感しています。
●生活や環境の変化
記者時代とは大きく環境や生活リズムが変わりましたが、緒方さん自身は「自分自身の心境には何の変化もない」と述べています。
軸となる「子どもを守りたい」という強い思いは変わらず、どんな相手とも理解し合える関係を築こうとする姿勢を大切にしています。
●人間関係の広がりと学び
・年齢も背景も異なる若い同級生たちと学び合う中で、「互いに理解し合える関係」を築くことを心がけ、その姿勢が周囲にも伝わり、信頼関係が深まったと感じています。
●仕事観の変化
・事件記者時代は「読者のために有用で正確な記事を一刻でも早く報じる」ことが使命でしたが、
保育の現場では子ども一人ひとりと丁寧に向き合い、日々の小さな成長や変化を大切にするようになっています。
まとめ
緒方さんは、保育士になったことで「子どもを守りたい」という思いをより直接的に実践できるようになり、子どもと対等に向き合う姿勢や、
異なる世代・価値観の人々と理解し合う大切さを実感しています。一方で、自身の根本的な思いや姿勢は変わっていないと語っています。